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    経営・制度対応 2026.07.28 約10分で読了

    介護サービス事業者経営情報報告の義務を果たしていますか?指定取消リスクもある2年目の報告義務・提出期限・必要書類・システム操作の完全ガイド

    2024年4月から義務化された「介護サービス事業者経営情報の報告義務」は2年目を迎えました。未提出は指定取消リスクにもつながりうる重大義務です。会計年度ごとの提出期限・報告必須項目・経営情報データベースシステムの操作手順を施設長向けに解説します。

    介護サービス事業者経営情報報告のイメージ
    深瀬久博
    執筆
    深瀬 久博 / 情熱介護 編集長
    介護福祉士・社会福祉士・認知症ケア専門士・産業ケアマネ(3級)・ストレスチェック実施者
    編集長より「3年に1度の実態調査と同じだ」と思っている施設長が予想以上に多い。この誤解が未提出の最大の原因です。今日、5分だけシステムにログインして提出状況を確認してください。それでリスクは大きく変わります。

    この記事でわかること

    • 介護サービス事業者経営情報報告とは何か・なぜ義務化されたのか
    • 未提出の場合のリスク(指定取消を含む)
    • 自施設の提出期限の正確な確認方法
    • 報告に必要な書類と必須記載項目
    • 経営情報データベースシステムへの報告手順
    • 「まだ提出していない」場合に今すぐやるべきこと

    はじめに:「知らなかった」では済まされない義務化2年目

    2024年4月、介護保険法の改正により「介護サービス事業者経営情報の報告義務」が創設された。

    原則すべての介護事業者に対して、毎会計年度終了後3ヶ月以内に経営情報を都道府県に報告することが義務付けられた。

    しかし現実には、この義務を十分に認識していない施設長が少なくない。

    「うちの法人はどこかがやっているだろう」「3年に1度の実態調査と同じものだろう」——こういった誤解のまま、未提出になってしまっているケースがある。

    提出をしない、または虚偽の報告を行った場合は、期間を定めて報告もしくは内容を是正することを命ずることができ、その命令に従わない時は、指定の取消もしくは業務停止の処分ができるとされている。

    義務化2年目の今年度、「知らなかった」は通じない。今日、自施設の提出状況を確認してほしい。

    制度の概要:3年に1度の実態調査との違い

    なぜこの制度が作られたのか

    2040年を見据えた人口動態等の変化・生産年齢人口の減少・介護現場における人材不足・物価上昇や災害などに的確に対応するため、3年に1度の介護事業経営実態調査を補完する必要があることから創設された制度だ。

    従来の実態調査は3年に1度の抽出調査だったが、この経営情報報告は毎年・全事業者が対象となる。

    実態調査との違い

    比較項目介護事業経営実態調査経営情報報告義務
    頻度3年に1度毎年
    対象無作為抽出原則全事業者
    根拠統計法介護保険法
    未提出時の罰則なし(協力依頼)あり(指定取消リスク)
    公表方式集計データ集計データ(個別法人名は非公表)

    対象となる事業者・対象外の事業者

    対象となる事業者

    原則すべての介護事業者が対象となる。

    特養・老健・通所介護・訪問介護・グループホーム・居宅介護支援など、介護保険サービスを提供している全ての事業者・施設が対象だ。

    対象外となる場合

    以下に該当する場合は報告対象外だ。

    過去1年間の介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下の事業所・施設、および災害等で報告が困難な場合は対象外となる。

    提出期限の正確な確認方法

    基本的な提出期限

    毎会計年度終了後3ヶ月以内が提出期限だ。

    つまり会計年度によって提出期限が異なる。

    会計年度会計年度終了月提出期限
    4月〜3月(最多)3月末6月末
    10月〜9月9月末12月末
    1月〜12月12月末3月末

    会計年度が4〜3月の事業所は、毎年6月末が提出期限だ。

    今日は7月28日。会計年度が4〜3月の事業所で未提出の場合、すでに期限を過ぎている可能性がある。今すぐ都道府県の担当窓口に確認してほしい。

    提出状況の確認方法

    自施設の提出が完了しているかどうかは、介護サービス事業者経営情報データベースシステムにログインして確認できる。

    ログインIDとパスワードは、介護保険の電子請求受付システムと同じIDを使用する。

    報告に必要な書類と必須記載項目

    事前に準備すべき書類

    報告に必要な主な書類は以下だ。

    令和7年度の決算資料(損益計算書または事業活動計算書・キャッシュフロー計算書または資金収支計算書など)、介護料収益の明細書、保険外収益の帳簿。令和8年4月の職員数・給与がわかる資料(賃金台帳・シフト表)。令和8年4月の利用者数・食事提供回数・介護テクノロジーの導入状況。

    必須報告項目

    主な報告必須項目は以下だ:介護事業収益、介護事業費用の給与費のうち給与、介護事業費用の業務委託費のうち減価償却費、介護事業費用の業務委託費のうち水道光熱費、事業所または施設の職員の職種別人数。なお職種別人数は会計年度の初日の属する月に給与を支払った職員数を報告する。

    給与(賃金)については任意報告だが、できる限り報告することが推奨されている。

    報告単位:事業所単位か法人単位か

    基本は事業所・施設単位

    事業所・施設ごとに会計区分を行っている場合については、事業所・施設単位での報告となる。事業所・施設単位での報告が困難である場合には、まとめて提出することも可能だ。

    複数事業所を運営する法人の場合

    複数の事業所を運営する法人は、本部でまとめて調査票を受け取ることが可能だ。本部管理の財務データを活用し、効率的な回答が可能になる。

    ただし「誰かがやっているはず」という思い込みが未提出につながりやすい。本部・各事業所の担当者を明確にし、提出完了の確認を一元管理することを推奨する。

    経営情報データベースシステムでの報告手順

    STEP 1:システムにログインする

    介護サービス事業者経営情報データベースシステム(厚生労働省が運営)にアクセスし、電子請求受付システムのIDとパスワードでログインする。

    STEP 2:対象会計年度を選択する

    自施設の会計年度を選択し、報告対象期間を確認する。

    STEP 3:各項目を入力する

    収益・費用・職員数等の必須項目を入力する。会計基準(社会福祉法人会計・医療法人会計・一般企業会計等)ごとに入力画面が異なる。

    STEP 4:入力内容を確認して送信する

    入力内容を確認し、送信(報告)を行う。送信完了後、受付番号を保存・記録しておくこと。

    操作でわからない場合

    厚生労働省が「介護サービス事業者経営情報データベースシステム操作マニュアル(詳細版)」を公開している。また、問い合わせ支援コンテンツ「どのマニュアルを見るべきか」も公開されているため、まずこれを確認してほしい。

    未提出の場合:今すぐやるべきこと

    提出期限を過ぎている場合

    引き続き提出を受け付けているとの案内が厚生労働省から出ている。期限を過ぎていても速やかに提出することで、ペナルティのリスクを下げられる。

    今すぐ以下を確認してほしい。

    • 経営情報データベースシステムにログインし、提出状況を確認する
    • 未提出の場合、経理・財務担当者に今日中に連絡し、準備を始める
    • システム操作がわからない場合、厚生労働省のマニュアルまたは都道府県の担当窓口に問い合わせる

    施設長の今すぐ確認リスト

    • 自施設の会計年度を確認し、提出期限を特定した
    • 経営情報データベースシステムにログインし、提出状況を確認した
    • 未提出の場合、経理・財務担当者に今日中に連絡した
    • 複数事業所を持つ法人は、全事業所の提出状況を一覧で確認した
    • 報告に必要な書類(決算資料・賃金台帳・利用者数等)の準備状況を確認した
    • 来年度に向けて、提出スケジュールを経営カレンダーに組み込んだ

    編集長・深瀬久博からひとこと

    「3年に1度の実態調査と同じだと思っていた」「うちの法人は誰かがやっているはず」——この2つの誤解が、未提出につながる最大の原因だ。

    今回の経営情報報告は毎年・全事業者が対象であり、未提出は最終的に指定取消につながりうる。

    今日、ログインして提出状況を確認するだけでいい。5分でできる。

    「提出済み」なら安心。「未提出」なら今日から動く。それだけだ。

    深瀬 久博
    情熱介護 編集長 / 介護現場マネジメント講師

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