課題解決ガイドへ戻る
    DX・制度対応 2026.06.13 約12分で読了

    【7月31日期限】
    LIFE新システム移行ガイド完全版
    ――国保中央会運用LIFEへの移行手順・よくある失敗と、加算を止めないための施設長チェックリスト

    2026年7月31日までにLIFE移行を完了しないと、科学的介護推進体制加算をはじめとする全LIFE関連加算の算定が停止します。本記事では、国保中央会運用LIFEへの移行に必要な3つの作業、現場で起きがちな失敗、そして施設長が今週確認すべきチェックリストを、編集長・深瀬久博の視点で整理します。

    早朝の施設長室で新LIFEの移行作業画面に向かう施設長
    深瀬久博
    執筆
    深瀬 久博 / 情熱介護 編集長
    介護福祉士・社会福祉士・認知症ケア専門士・産業ケアマネ(3級)・ストレスチェック実施者
    編集長より「またシステムが変わる」——その疲弊感は当然です。ですが今回ばかりは、7月31日を過ぎると加算が止まります。本稿は、施設長が今週手を止めて動くための、最短ルートだけに絞った実装ノートです。

    この記事でわかること

    • なぜLIFEが新システムに移行するのか、背景と経緯
    • 7月31日を過ぎると何が起きるか(加算への具体的影響)
    • 移行に必要な3つの作業と正確な手順
    • 現場でよく起きる失敗と、事前に防ぐ方法
    • 施設長が今週確認すべきチェックリスト

    1. はじめに:「またシステムが変わる」では済まされない理由

    介護現場では、制度改正のたびにシステム対応が求められます。CHASE→LIFE→新LIFE——そして今回、国保中央会運用LIFEへ。「またか」という疲弊感は、現場として当然です。

    しかし今回ばかりは、流せません。移行期限は2026年7月31日。この日までに移行作業を完了しなければ、LIFE関連加算の算定が停止します

    科学的介護推進体制加算、栄養マネジメント強化加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算、ADL維持等加算、個別機能訓練加算(Ⅱ)——これらを算定している施設にとって、移行対応は「できればやる」ではなく「やらなければ収益が直撃される」問題です。

    7月31日は、
    『システムの期限』ではなく、
    『加算の期限』である。

    2. なぜLIFEが移管されるのか

    厚生労働省から国保中央会へ

    2026年5月11日、LIFEの運営主体が厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)へ移管されました。この変更は、2026年4月から始まった「介護情報基盤」の稼働に合わせたもので、LIFEを含む介護データの一元管理・活用を強化する国の方針に基づくものです。

    旧システムは2026年9月1日に完全停止

    厚生労働省が運用していた旧LIFEは、2026年9月1日にサービスが完全停止されます。移行を先送りしても「旧システムで加算を取り続ける」ことは、9月以降は物理的に不可能になります。

    3. 移行しないと何が起きるか

    移行期間(2026年5月11日〜7月31日)内に移行作業を完了しなかった事業所は、以下の影響を受けます。

    影響内容
    LIFE関連加算の停止新システムへのデータ提出ができないため、加算の算定要件を満たせなくなる
    収益への直接影響科学的介護推進体制加算(特養なら1人/月で最大60単位)などが消える
    データの断絶旧LIFEに登録されたデータは新システムのフィードバック対象外になる
    再登録の手間増加期限後に移行する場合、利用者情報を一から再登録する必要が生じる
    7月31日に赤丸が付いた卓上カレンダーと新LIFEのログイン画面を映すノートPC
    7月31日は、加算が止まるか・続くかを分ける一日になる。

    4. 移行に必要な3つの作業

    STEP 1:電子証明書の取得・インストール

    新LIFEへのログインには、「介護保険証明書」または「介護DX証明書」のいずれかの電子証明書が必要です。すでに電子請求受付システム(介護)を利用している事業所は、そのIDとパスワードでログインできます。

    確認ポイント:

    • 電子証明書の有効期限は切れていないか
    • ブラウザやOSが新システムの動作環境を満たしているか(旧式のInternet Explorerなどは非対応)

    STEP 2:旧LIFEでの移行申請

    新LIFEにログインする前に、旧LIFE(厚生労働省運用)側で移行申請作業を行う必要があります。この作業をしない限り、新LIFEへのログイン自体ができません。

    • 旧LIFEにログイン
    • 「移行申請」メニューから申請を実行
    • 申請完了の確認メッセージを保存しておく

    STEP 3:新LIFEでの利用者情報の再登録

    新システムへの移行後、旧LIFEに登録していた利用者情報は新LIFEに自動では引き継がれません。利用者情報を一から再登録する必要があるため、この作業が最も時間と人手がかかります。

    施設規模別の目安作業時間:

    • 利用者10名以下:2〜3時間
    • 利用者30名前後:半日〜1日
    • 利用者50名以上:複数日に分けて対応
    再登録作業は、当日まとめて行うと入力ミスや漏れが起きやすくなります。1日あたり10名ずつ等、計画的に分割して対応することを強く推奨します。

    5. よくある失敗と防ぎ方

    期限管理に追われる施設長と書類の山

    失敗①:「担当者任せ」にして期限を過ぎる

    LIFEの移行作業は現場のICT担当者や相談員が担うことが多いものです。しかし施設長が「任せた」と思っていたら、担当者が有給・産休・退職で対応が止まっていた——というケースがあります。

    防ぎ方:週次の確認で進捗を施設長自身が把握する。

    失敗②:電子証明書の期限切れに気づかない

    移行当日にアクセスしたら電子証明書の有効期限が切れていてログインできない、というトラブルが報告されています。

    防ぎ方:今すぐ証明書の有効期限を確認する。更新には数日かかる場合があるため、余裕を持って対応します。

    失敗③:ブラウザ・OS環境の問題で動作しない

    新LIFEは、特定の古いブラウザや旧式のWindowsでは正常に動作しないことがあります。

    防ぎ方:事前にLIFEのマニュアルで動作環境を確認し、必要であれば使用PCのブラウザをアップデートします。

    失敗④:旧LIFEの移行申請を忘れて新LIFEにログインしようとする

    新LIFEへのログインには、旧LIFEでの移行申請が前提です。申請なしに新URLにアクセスしても入れません。

    防ぎ方:必ずSTEP 2(旧LIFEでの移行申請)から始める。

    『うちのICT担当に聞いておく』
    ——その一言で、
    加算は静かに止まる。

    6. 施設長の今週チェックリスト

    以下を今週中に確認・完了してほしい。

    • LIFE関連加算を算定している加算の種類を一覧化した
    • 移行担当者を指定し、期限(7月31日)を共有した
    • 電子証明書の有効期限を確認した
    • 使用PCのブラウザ・OS環境を確認した
    • 旧LIFEへのログインIDとパスワードを担当者が把握している
    • 旧LIFEで移行申請を完了した(または予定日を決めた)
    • 利用者情報の再登録作業のスケジュールを決めた

    7つ全てにチェックが入れば、加算を守る準備ができている。1つでも「わからない」があれば、今日中に担当者に確認してほしい。

    7. 編集長・深瀬久博からひとこと

    LIFEの移行は、やることが決まっている作業だ。難しい判断は何もない。

    ただ「気づいたら期限を過ぎていた」というケースが、毎回の制度改正で繰り返されている。

    施設長の仕事は、担当者が動ける状況を作り、締め切りを管理することだ。

    7月31日まで、今日を含めて約7週間ある。十分に間に合う。今週、動いてほしい。

    8. 関連記事

    本記事の制度・スケジュール・運用要件は、2026年6月時点で公表されている厚生労働省・国民健康保険中央会の情報をもとに整理したものです。電子証明書の取得方法、移行申請の具体手順、加算算定要件の最終判断については、最新の一次情報および所管自治体・国保連・社会保険労務士等の専門家への個別相談を必ずあわせてご確認ください。